『あとでって、いつ?』
娘が好きな絵本ですが
親に向けてのメッセージ性がたっぷりです。
忙しい時につい言ってしまう「あとで」
保育園に通う男の子とっちゃんのおうちは
お惣菜屋さんです。
とっちゃんが保育園から帰ってきた夕方から
お店は忙しい時間になります。
とっちゃんの
「あそぼ」「おなかすいた」などに対して
ママは「あとで!」を繰り返します。
でも、1人でおえかきをして
画用紙を全部使い切っても、
折り紙を全部使い切っても、
おなかがすいても、
のとがかわいても、
ママはまだまだ忙しそうです。
とっちゃんが、ママに
「あとでって、いつ?」と聞くと、
ママは
「あとではあとで!
ちょっと待ってってこと!」
と忙しさから声を荒げてしまいます。
そのママの言葉に
とっちゃんは黙ってしまいます。
寂しい気持ちを必死で我慢するとっちゃんに
胸が痛くなりました。
「ちょっと待って」がちょっとじゃない!
バタバタ忙しくしている時、
「あとで」も
「ちょっと待って」も、
その場しのぎで
誰もがついつい言ってしまいがちな
言葉ですよね。
私も家事をしている時に
「あそぼ〜」と誘ってくる娘に
よく言ってしまっています。
「ちょっと待って」と言っておいて
「あ〜これもやっちゃいたい」
「あれも片付けておきたい」と
ついつい他のことも気になってしまい
「ちょっと」じゃなくなっていることも
よくあります。
だから、とっちゃんの言葉
「ちょっとじゃなくて、いっぱい待ってた」
には、グサっとささるものがありました。
具体的な説明で、子供の不安を取り除く
具体的に言わないと
「あとでって、いつ?」
「ちょっと待ってって、いつまで?」と
子供を不安な気持ちにさせているんだと
気づかされました。
ママのフォローがすばらしいです!
「遊びたい気持ちはとっちゃんと同じ」
「そのために早く仕事を終わらせようと
頑張っている」
「仕事が終わったら遊ぼう」
それを聞いて
とっちゃんは素直に喜び
早くお仕事が終わるように
お店のお手伝いをがんばります。
ママの完璧なフォローと
素直なとっちゃんの姿勢に
ほっこりさせられる場面です。
子供が大きくなっても向き合うことは大切
子供が大きくなって
遊んであげる年齢でなくなっても、
親に話を聞いてほしい時
悩みを相談したい時があると思います。
そんな時は小さい頃の遊びの誘いとは違い
タイミングが大事です。
その時話しそびれると
言い出しにくくなったり、
「どうせ聞いてくれない」
と思わせてしまったりします。
「ちょっと待って〜」
「あとで聞く〜」ではなく、
話しかけてきてくれたときに
きちんと向き合えるように
気をつけていきたいと思いました。